ラットプルダウンのやり方

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ラットプルダウンのやり方

投稿記事by OneH » 2012年9月11日(火) 19:34

ラットプルダウンのやり方について書きます。ラットプルダウンに限らず、背中のトレーニングは全般的にどこを鍛えているのかよく分からないといった声を聞くことが多いですが、これを読んでモヤモヤがクリアになってくれれば嬉しいです。

まず、ラットプルダウンのやり方の前に、この種目が何を目的にしたのものかについて説明します。

● ラットプルダウンのターゲット

ターゲットは広背筋です。広背筋は上腕骨上部の肩の近くから付着して、扇状に広がる筋肉です。どのようなフォームで行うかにもよりますが、通常は上半身を立てた姿勢で動作する関係上、背中の中・上部にある他の筋肉 (菱形筋、僧帽筋など) は適切にヒットさせることができず、主要なターゲットからは外れます。

ということで、背中には色々と筋肉がありますが、ラットプルダウンではターゲットである広背筋の働きを考えて行うことになります。ちなみにラットとは、英語で広背筋という意味です。

- 広背筋の絵と説明
http://en.wikipedia.org/wiki/Latissimus_dorsi_muscle
http://www.exrx.net/Muscles/LatissimusDorsi.html

● 広背筋の働き

・肩関節の伸展 (Shoulder Extension)
上腕を前から下に降ろす動きです。アンダーグリップやV字ハンドルのクロースグリップのプルダウンではこの動きをします。
- 肩関節の伸展の例
http://www.exrx.net/Articulations/Shoul ... chor103519

・肩関節の内転 (Shoulder Adduction)
上腕を横から締めていく動きです。ワイドグリップのプルダウンではこの動きをします。
- 肩関節の内転の例
http://www.exrx.net/Articulations/Shoul ... chor104396

以下、いくつかの代表的なフォームについて、やり方や気を付ける点について説明します。

● ラットプルダウンのやり方

アンダーグリップ、クロースグリップ、それとワイドグリップの3つについて説明します。どのフォームでもそうですが、少なくとも最初のうちは適切なフォームを身に付けるため、あまり重い重量は使わない方がよいと思います。その代わりに、ボトムで引き切ったときに少し止めます。広背筋を最大限に収縮して最大限に負荷が掛かっているところで耐えることで、セット中適切なフォームをキープできていることを確認しながら行うことができます。

(1) アンダーグリップ

スタートポジションから「肩関節の伸展」で肩と上腕を下げていくことで広背筋を稼働させます。フィニッシュで、上背部をややアーチさせて胸を持ち上げるような意識を持つと、広背筋を適切に収縮させやすいです。

<アンダーグリップのプルダウンでよくある間違い>

・肩と上腕をロウのように後ろに引いてしまう

正しくは肩と上腕は下に下げていきます。後ろに引いてしまうと負荷が上腕に行っってしまったり、肩が下がらずに広背筋よりも上の方に行ってしまったりして、色々なところに負荷が分散して広背筋を感じることができなくなります。コツとしては、グリップには極力意識を置かないようにして、肘を動作のガイドとして使うようにすると上手くできるようになることが多いです。

・フィニッシュで上背部や胸が丸まってしまう

ラットプルダウンでは背中を丸めた方がラクなので、セットの後半疲れてきたり、重すぎる重量で無理してやったりするとこうなってしまいがちですが、背中を丸めると広背筋をきちんと収縮することができません。ラットプルダウンをやっていて、もし腹筋も使っていると感じたら、背中が丸まってケーブルクランチみたいになってしまっているということです。その場合、フィニッシュで胸を上に張れる重量まで軽くした方が良いです。

(2) V字ハンドルのクロースグリップ

やり方はアンダーグリップと同じなのでそちらを参照してください。

グリップが狭いので少々窮屈になりますが、アンダーグリップよりも手首の向きは自然でラクになります。また、アンダーグリップでロウのように後ろに引いてしまうクセがある人は、こちらのグリップの方が適切な軌道に修正しやすいことが多いです。

(3) ワイドグリップ

スタートポジションから「肩関節の内転」で肩と上腕を横から締めるように下げていくことで広背筋を稼働させます。バーを降ろす位置でフロントとビハインドネックの2つのバリエーションがありますが、どちらでやってもOKです。ビハインドは少々窮屈になるので最初はフロントから覚えると良いと思います。

コツとしては、上手く広背筋を感じることができない場合は、やはりグリップには意識がいかないよう、肘をガイドにして引くと上手くいくことが多いです。中指と薬指だけでバーを握るというのもグリップの意識を排除するのに効果的です。

横の動きになるぶん、それほど背中のアーチや胸のリフトにはこだわらなくても広背筋にヒットできるように思います。このため上半身は真っ直ぐでもOKですが、少なくとも背中は丸めないようにします。

ちなみに、私は上記3つのフォームでラットプルダウンをするときは、だいたい40 - 60kgの重量で行っています。ボトムで収縮したところで止めを入れるのが難しくなるので、これより重くすることはあまりありません。

● もう一つのラットプルダウンのやり方

上記のフォームとは別に、ロウ系の種目のように、「これ一つで背中全体を鍛える」やり方もあります。やり方としては、ワイドグリップでバーを握り、背中を倒し気味にして引き、フィニッシュで肩甲骨も寄せて、背中の内側も動員するようにして行います。初動をやりやすくするため、スタートで少し体重を乗せて勢いを付けてOKですが、ただ体をバッタンバッタンさせるだけにならないよう、初動を超えたらしっかり背中を使って引くようにします。

私は腰に問題があってベントロウなどで高重量を使うのがしんどいことや、当時私が行っていたジムにこれにぴったりなプルダウンマシンがあったことから、昔は背中のメイン種目として良くやっていました。今でもトレーニングを短時間で終わらせたいときなどはこのフォームで行うことがあります。
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Re: ラットプルダウンのやり方

投稿記事by kae » 2012年9月14日(金) 00:34

ありがとうございます。

OneHさんの文章は今も前の掲示板の文章を読み直して
再確認するほど深いです。
自分の状況がどうであれ、正しいことは正しいっていう基本です。

今回も、全部を理解するほどは、自分が成長しきれてませんが、
ラットに関する疑問がでてきたので、うれしいです。


自分の好き勝手ブログであれやこれや言うのと同時に
永久保存という意味で、やっぱりここにも気軽に投稿する
浅はかさをもう一度持ってみようと思いました。

シラフの時にもっかい読み直します。たぶん何年かたって
読み直します。
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Re: ラットプルダウンのやり方

投稿記事by kae » 2012年9月14日(金) 11:53

ひとつ疑問に思ってることがあります。

最近ようやく背中がどうなっててどう動くか
ぼんやり理解したのですが。

広背筋だけ動かすトレーニングとして、先ほど教えて
いただいたように、ラットプルを練習しなおそうと思ってます。

ところが今現在、自分の中で、もっとも「広背筋だけ動かせる」動きって

ワンハンドローなどの、片手のローイングです。
(私の居る環境では、DYロウというマシン)

上から引き降ろすではなく、片手で引っ張る動作なの
ですが、これは、やっぱり、別の種目として
(広背筋の中でも違う場所が鍛えられる??)取り入れて
いくべきでしょうか?

以前、大胸筋で同じような質問は見たことがあるのですが。
(フライは大胸筋の内側を発達させるものでなく、先にヘタる
三頭を使わず大胸筋を動かせる種目なだけ)

ワンハンドローばっかりやってると、広背筋下部ばかり
発達するのでしょうか?フォームとしては十分にストレッチ
したところから、絞りきるかんじです。

そして、大円筋って、いったい何なのか?
大円筋と呼ばれるところは、さすがにラットプルで
ないと動いてないような気もします。

それとも、広背筋にくっついている、コバンザメみたいな
ものでしょうか?
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Re: ラットプルダウンのやり方

投稿記事by OneH » 2012年9月14日(金) 19:29

kae さんが書きました:ところが今現在、自分の中で、もっとも「広背筋だけ動かせる」動きって
ワンハンドローなどの、片手のローイングです。
(私の居る環境では、DYロウというマシン)

上から引き降ろすではなく、片手で引っ張る動作なの
ですが、これは、やっぱり、別の種目として
(広背筋の中でも違う場所が鍛えられる??)取り入れて
いくべきでしょうか?

ロウ系の種目で広背筋を鍛える場合は、アンダーグリップのプルダウンと同じく「肩関節の伸展」により広背筋を使います。例えば、シーテドロウやロウプーリーロウならば、肘を後方に引いていきますが、やや上背部をアーチさせ胸を持ち上げるようにして(したがって肩を上げないようにして)フィニッシュします。

ワイドグリップラットプルダウンは主に肩関節の内転になるのでロウとは別の種目と言えますが、アンダーグリップのプルダウンとの比較でいったら、広背筋を使う仕組みはロウも一緒なので、個人的にはアンダーグリッププルダウンと広背筋ターゲットのロウは似たような種目、という感覚を持っています。

ワンハンドローばっかりやってると、広背筋下部ばかり
発達するのでしょうか?フォームとしては十分にストレッチ
したところから、絞りきるかんじです。

そういえば広背筋下部って付けたくないんでしたっけ。。。実は私は逆の見方をしていて、広背筋下部の発達って、ウエストを細く見せる効果があると思っています。ボディビルダーでウエストが太い人っていますけど、それでも広背筋下部が良い形をしているとバランスアウトしてスタイルが良く見えます。しかし広背筋下部の付き方が悪いと、ただただウエストが際だってしまいます。

個人的には「広背筋は下までやって広背筋」と思っています。というか、広背筋って、解剖図を見ると意外と下に付いているなーと思いません?もし下にヒットしていないと感じるようだったら、そもそも広背筋に適切にヒットしていないのでは、なんて気がちょっとします。

そして、大円筋って、いったい何なのか?
大円筋と呼ばれるところは、さすがにラットプルで
ないと動いてないような気もします。

それとも、広背筋にくっついている、コバンザメみたいな
ものでしょうか?

大円筋(Teres Major)は広背筋と似た動きをします。exrx.netで見たら広背筋と同じく「Shoulder Extension」と「Shoulder Adduction」が主要な働きです。広背筋を動かせば大円筋も動きます。解剖学的にいったら大円筋は広背筋のファミリーに入れた方が適切みたいです。

ちなみに、最初の投稿で、背中を広背筋と広背筋以外(円筋、菱形筋、僧帽筋)という2つの分け方をしましたけど、私自身は背中のトレーニングをするときは「ナントカ筋」みたいなのはあまり頭はなくって、「外側か、そうじゃないか」ということを考えています。言い換えると、「背中の広がりを作るか作らないか」、つまり「広背筋か広背筋以外か」ということでこんな分け方になった次第です。細かく説明すると長くなるし主要なポイントではないので円筋の文字は消しておこう。。。

で、私が他人の広背筋のトレーニングを見るときは、「首を上げて」とか「肘を降ろす位置をナントカ」みたいな言い方しかしないことが多いのですが、それによって調整してもらいたいのは、広背筋を適切に使うための胸・背中の姿勢だったり、肩~上腕の動かし方だったりです。
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Re: ラットプルダウンのやり方

投稿記事by OneH » 2012年9月14日(金) 20:15

ログインしていないと見られませんけど、私のアンダーグリップおよびV字クロースグリップでのラットプルダウンです。

OneH: アンダーグリップ・ラットプルダウン等
viewtopic.php?f=15&t=192

フォームのポイントは、肘を後ろじゃなくて下に引いていること、フィニッシュに向かうにしたがって肩が下がっていき、上背部がアーチして胸が上を向いているところなどです。
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Re: ラットプルダウンのやり方

投稿記事by kae » 2012年9月15日(土) 02:46

こうやって、自分が理解する段階、じぶんが理解できる範囲で
動画を見せてもらうと、新しい発見があります!!

自分ごときは、過去の記事をよくよく読むだけで充分
っていう観念を捨てて質問してみたら、本当に答えが
示されてうれしいです。

それにしても、可動域せまいなあ。。。
そこまでで、引ききらずにええのか?っていう感想を
以前ならどんぶり勘定で可動域飛び越えてもどっかが
発達するやい!!みたいなんを払拭してくれるやりとりです。

引ききったら広背筋から負荷が他に移動するから
OneHさんにとって「必要ない」ってのが、
以前の自分には「もぞもぞしとって面白くない」
としか映りませんでした。

いまは、この動画の可動域が意味を踏まえてみることが
できました。広背筋、収縮してます。とくと拝見しました。
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Re: ラットプルダウンのやり方

投稿記事by kae » 2012年9月15日(土) 02:53

広背筋下部について。。

自分は絞り切ったことがないので、
要るとか要らんに関して。。。

もし、自分の身体に一切カットがなく、全身のシルエット
で見るなら、広背筋の下部はウェストを単に太く
見せるパーツかもしれません。
(場合によってはロウ系を封印させ、ラットプル垂直のみで
やっていっても誰も咎めない)

だからといってそこまで肥大させたことも
ないので、そこらへんは、結果オーライで
では、広背筋下部のせいで、ウェストが困るまで
一回肥大させてもよいかとも思えてきました。

落としたことはないけど、筋肉つけるより落とす方が
簡単だとは今でも思ってます。
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